アルバルク東京へ電撃入団となったシェーファー・アヴィ幸樹。高校2年生からバスケをはじめ、日本代表コーチに見初められ、短期間でA代表デビュー、アメリカバスケの名門・ジョージア工科大学に進学したイケメン・シンデレラストーリーをピックアップ!!
目次
【シェーファー・アヴィ幸樹(Avi Schafer)】
身長:205cm 体重:107kg
1998年1月29日生まれ
アメリカ人の父と日本人の母を持つ(アメリカと関西人のミックスとTwitterで自己紹介)
大阪府出身
中学:神戸大学附属中等教育学校
高校:セント・メリーズ・インターナショナル・スクール
ブリュースターアカデミーを経て、ジョージア工科大学
ジョージア工科大学を休学、アルバルク東京所属
【シェーファー・アヴィ幸樹、サッカーからバスケへ転向】
シェーファー・アヴィ幸樹は、地元神戸の強豪クラブ、サッカー日本代表の香川真司が小学生時代に所属していた「センアーノ神戸(当時は神戸NKサッカークラブ)」でサッカーに明け暮れていた。
しかし、中学卒業後、神戸から東京へ引っ越すこととなり、新たなサッカークラブに入らなければならない。だが、9月から始まるインターナショナルスクールと、4月から始まる日本の年度制の違いから、夏休みの時点ではどのクラブも募集を締め切っており、新しいクラブが決まらなかった。そこで、1年間はインターナショナルスクールのサッカー部に籍を置いてみたが、これまで所属していた強豪クラブとのレベル差が激しく退部。
そして、高校2年生、インターナショナルスクールのバスケ部が強かったため、身長を生かせるとバスケ部に入部した。
【偶然が呼ぶ日本代表トーステン・ロイブル ヘッドコーチとの出会い】
本格的にバスケットを始めた1シーズン目を終えた2015年夏、オフシーズン中に活動する”東京サムライ”というインターナショナルスクールの選抜チームの一人として、男子U-16日本代表の練習試合に参加。
対戦相手の男子U-16日本代表を率いていたトーステン・ロイブル ヘッドコーチは、シェーファー・アヴィ幸樹のプレイを見て、すぐに国籍や年齢をチェック、日本代表の資格があると知ると、2015年11月、U-18トップエンデバー(年代別の選手育成キャンプ)に招集した。強豪校出身ばかりの中、シェーファー・アヴィ幸樹だけが全くの無名だったが実力を見せつけ、以降、代表に定着。電撃的な代表入りとなった。
【八村塁との出会い、世界を驚かせたU19ワールドカップ2017】
育成キャンプに招集されたことで、シェーファー・アヴィ幸樹は同じ1998年生まれで盟友となる八村塁と初めて一緒にプレー。そに身体能力と技術に衝撃を受ける。
2017年夏にはU19日本代表のチームメートとしてFIBA U19バスケットボールワールドカップ2017に出場、それまでの日本代表はヨーロッパの強国と戦うと20点、30点と差がついていた。しかし、シェーファー・アヴィ幸樹を招集したトーステン・ロイブル ヘッドコーチの「世界を驚かせよう」という号令の下、八村塁とアメリカの短大でプレーしていた、初代表の榎本新作(アイザイア・マーフィー)とともに大会に挑む。世界2位である「スペイン戦」に67-78と惜敗。スペイン代表のルイス・ギル・ヘッドコーチが日本代表に急成長に「日本は大会のサプライズ・チームのひとつだ」とコメントしている。その成長の要因の1つであるシェーファー・アヴィ幸樹は、続く「マリ戦」で第3クォーター、37-40と3点を追いかける状況でエースの八村塁が4つ目のファウルを吹かれ、ベンチへ戻らざるを得ないピンチでコートイン、しかし、シェーファー・アヴィ幸樹の10得点、11リバウンドの活躍で逆転に成功、見事に八村塁の穴を埋めてみせ、76-73と勝利を飾った。最後の試合となった「イタリア戦」は残り8秒で同点に追いつく接戦となり、結果的には2点差で敗れたが、対戦相手のイタリア代表はそのワールドカップで準優勝。日本代表も過去最高の10位という成績だったがそれ以上のインパクトを世界に残した。同時に、大会で活躍したシェーファー・アヴィ幸樹も同年代のスター候補に躍り出た。
【シェーファー・アヴィ幸樹渡米、NCAAディビジョン1のジョージア工科大学へ】
インターナショナルスクールを卒業したシェーファーアヴィ幸樹選手は、高校卒業後にアメリカのメリーランド州にある「プレップスクール」(アメリカのバスケ強豪校に進学するための語学や技術を磨くため学校)である「ブリュースターアカデミー」へ進学。
ブリュースターアカデミーは毎年多くの選手をNCAAの強豪大に排出する名門校で、NBAのデンバー・ナゲッツに所属しているウィル・バートンやアトランタ・ホークスに所属しているジェイレン・アダムズ等、多くのNBAプレイヤーも卒業している。
英語が話せるシェーファー・アヴィ幸樹はバスケのトレーニングに集中することができ、この渡米中のトレーニングで身長は205センチのまま、体重は94kgと細身の印象だったが全身に筋肉が付き107kgと10kg以上大幅アップ。
ブリュースターアカデミー卒業後は2017年9月にNCAAディビジョン1(アメリカの大学バスケのトップリーグ)の名門・ジョージア工科大学に入学。大学入学の際は、試合出場がある程度保証される「奨学金あり(スカラシップ)」と保証のない「奨学金無し(ウォークオン)」の差が大きく、シェーファー・アヴィ幸樹は「奨学金無し(ウォークオン)」での入学になったが、「奨学金がないだけで他の面はスカラシップの選手と待遇が同じと言われています」と本人がコメントしている。
【目標は東京五輪、シェーファー・アヴィ幸樹、アルバルク東京へ】
U19バスケットボールワールドカップ2017以降も代表に招集され、ついに、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2018韓国代表戦」の登録メンバー15名に選ばれ、2018年6月15日、日韓戦でA代表デビューを飾る。だが、わずか2分52秒の出場で、コートに入ってすぐにシュートを外し、その20秒後にファウルを吹かれるなど、苦いA代表デビューとなった。
しかし、その後もいわゆるBチームとして「7月14日チャイニーズ・タイペイにて開幕された「第40回ウィリアム・ジョーンズカップ2018」と8月18日開幕のジャカルタ・アジア競技大会に招集され、日本代表の活動に意欲を見せる。
アメリカの名門・ジョージア工科大学で研鑽を積むシェーファー・アヴィ幸樹だが、日本代表への思いは熱く、将来の目標に「日本代表として試合に出続けること。可能ならNBAにもちろん行きたいけれど、それよりも日本代表として五輪に出たい。(開催国枠未定で)今回は出られるか分からないけれど、今後はアジアの中でも強くなって、とにかく五輪に出るというのが目標」とコメントしている。
そして、2018年12月19日、自身のTwitterで「物凄く悩んだ結果、ジョージアテックを休学して、アルバルク東京に入ることを決断しました。思うところもあるかもしれませんが、代表としてプレイするという夢を追い続けるために決断しました。一刻も早く勝利に貢献出来るよう頑張るので、応援よろしくお願いします。」と発表。
【日本の課題、新しい大黒柱】
現在の日本代表のインサイドプレイヤー事情は、最強の帰化選手、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)が得点とリバウンドの要である。しかし、手術をしたとは言え、今を持って長時間のプレイはできていない。八村塁(ゴンザガ大学)と渡邊雄太(NBAグリズリーズ)も2メートルを超える長身だが、彼らが活きるポジションはセンターではない。そうすると、竹内譲次(アルバルク東京)や太田敦也(三遠ネオフェニックス)となるが彼らもベテランの域に入っている。
八村塁、渡邊雄太を筆頭に、NCAAディビジョン1・ノースカロライナ大学でレギュラーの座を掴んだポイントガード・テーブス海、IMGアカデミー進学の田中力など若手の台頭が著しい日本バスケ界で、望まれる新しい「大黒柱」
205センチ107キロという強豪国の屈強な選手にも当たり負けしない恵まれた体格。短期間で日本代表に駆け上がったセンス。日本代表への情熱。シェーファー・アヴィ幸樹が日本の新しい大黒柱になれるのか、今後もかつ目だ。