日本バスケ界の希望、八村塁が偉業を成し遂げた。ハワイで行われた米大学バスケットボールの8チームによるトーナメント「マウイ・インビテーショナル」で日本時間11月22日決勝戦・デューク大学戦、来年のNBAドラフトで1巡目の上位指名が予想されているスター軍団を撃破、見事優勝。大会MVPに輝いた。全米で称賛されたその偉業に刮目。
目次
【マウイ・インビテーショナルとは】
マウイ・インビテーショナルは、1984年に全米大学男子バスケットボールの招待大会として発足したハワイの マウイ島ラハイナで行われる最大のバスケットボールイベント。全米大学男子バスケットボールシーズン中に行われる多くのトーナメントの中でも参加校が超豪華でそのレベルの高さから本土アメリカからも注目されている。今回の参加校は、アリゾナ大学・オーバーン大学・デューク大学・ゴンザガ大学・イリノイ大学・アイオワ大学・サンディエゴ大学・ゼイビア大学の8校。
【NBAドラフト指名の登竜門】
マウイ・インビテーショナルで活躍した1988年のダニー・マニング、1995年のジョー・スミス、1999年のエルトン・ブランド3人はNBAドラフトで全体1位指名され、この大会でMVPに輝いた計12人がドラフトでは10番目までにその名前をコールされている!
【優勝候補・スター軍団デューク大】
来年のNBAドラフトで1巡目の上位指名が予想されているR・J・バレット(18=2メートル1、92キロ)、ザイオン・ウィリアムソン(18=2メートル1、129キロ)、キャム・レディッシュ(19=2メートル3、99キロ)という規格外の黄金ルーキートリオを有し、レブロン・ジェームズがレイカーズに移籍したために一気に弱体化したNBAチームのキャバリアーズにも勝ってしまうのではないかという評価があるほどのブルーデビルズ(デューク大の愛称)。全米大学体育協会(NCAA)1部でAP通信ランキング3位のゴンザガ大に対し、デューク大はAP通信ランキング1位。NCAAトーナメント優勝5回。出場したマウイ・インビテーショナルで過去5回すべて優勝している。
【決勝・VSデューク大】
ゴンザガ大には昨季活躍したフランス出身の3年生フォワード、キリアン・ティリー(20=2メートル8、100キロ)が故障でまだ出場てきないという状況のため、八村塁を中心としてオフェンスを組み立て、決勝・デューク大に挑む。
試合開始1分1秒、八村塁の3ポイントでチーム初得点を記録、さらにバスケットカウントをマークするなど、前半だけで12得点の活躍を見せ、前半は47-39とリードで折り返し、後半も順調に得点を重ね、残り10分の時点では75-60とセーフティーリードをつけたかに思われたが、ここから、八村塁に激しいマークが集中。スター軍団・デューク大の猛追を食らい、試合残り1分45秒でザイオン・ウィリアムソンのシュートが決まり87-87と同点に。しかし、残り1分15秒の場面で八村塁のレイアップで勝ち越しに成功。残り1秒には、同点を狙いシュート態勢に入った相手を味方と2人で封じ込めた。しのぎ切って頂点に立った。
強豪・デューク大を破ったゴンザガ大は2009年以来となる2度目の優勝を達成。
【MVP・八村塁】
八村塁は大会3試合で計67得点、決勝では20得点、7リバウンド、そして華麗なノールックパスを含む、5アシストを記録。土壇場の場面で決勝点を決めるなど獅子奮迅の働きを見せ、大会MVPに輝いた。
「ルイ・ハチムラは幸運を授かった存在かもしれない。今季のゴンザガ大学について非難できるものはいない」「ザイオンを超えている」「ドラフトの主役に決定」と評され、NBAドラフト1巡目指名に大きなアピールを成功させた。また、2人目のNBA選手となった渡辺雄太がトロフィーを前に仲間と撮った写真をアップした八村塁に「おめでとう兄弟、このまま突っ走れ」と祝福のコメントを送った。
入ることが難しいNCAA1部大学でエースとして活躍し、大会MVPに輝き、チームをESPN週間パワーランキングの1位に押し上げる。さらにNBA指名を受けるだけでなく、1巡目の可能性があるというかつてない状況は理解が追いつかない。日本バスケ界の希望がどこまで快進撃を続けるのか、これからも見守っていきたい。
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