Bリーグがラストの36節を残し、全地区の優勝が決まった。地区優勝にはその栄誉の他にも意味がある。プレーオフには8クラブが進出できるのだが、自地区で優勝したクラブにはクォーターファイナル(準々決勝)にあたるプレーオフ初戦をホームで開催できる権利が与えられる。日本一を目指すには取っておきたい権利だ!!
目次
【西地区優勝・琉球ゴールデンキングス】
最速で地区優勝を決めたのは「西地区の琉球ゴールデンキングス」
琉球ゴールデンキングスは、第33節・京都ハンナリーズをホームに迎え、4月6日に勝利、3年連続のチャンピオンシップ出場を決め、勢いそのままに4月7日も京都ハンナリーズに連勝、36勝目を飾り、2年連続の地区優勝を決めた!
【中地区優勝・新潟アルビレックスBB】
続いて地区優勝を決めたのは「中地区の新潟アルビレックスBB」
新潟アルビレックスBBは4月13日、アウェーで同地区2位の川崎ブレイブサンダースに80―78で競り勝ち、今シーズンの好調を表すような7連勝。レギュラーシーズン3試合を残して初の地区優勝を決めた。球団としては旧bjリーグ12~13年シーズン東地区優勝以来、6年越しのタイトル獲得。
【東地区優勝・千葉ジェッツ】
最後に地区優勝を決めたのは「東地区の千葉ジェッツ」
千葉ジェッツは、4月14日、アルバルク東京との第2戦目に87-76で勝利。東地区での優勝を決めた。初代チャンピオンシップの栃木ブレックス、2代目チャンピオン・アルバルク東京が所属する激闘の東地区で、歴代最多勝利数50勝(58戦中、残り試合2試合)、勝率は驚異の8割6分。もちろん、全体18チーム1位の成績でチャンピオンシップを迎えることになった。しかし、富樫勇樹は「うれしさはあるけど、優勝しないと」とあくまで日本一しか見えていない。
【新たな壁「ライセンス」で複雑になった今季の入れ替え戦】
チャンピオンシップが決定した裏では、降格・入れ替え戦も決まっている。
これまでの入れ替え戦ルールは、B1・全18クラブ中、下位4位から最下位までの4クラブが残留プレーオフに出場し、優勝すればB1残留。準優勝は入れ替え戦でB2クラブと対戦し勝利すればB1残留となる。
今シーズンもこのルールで行われるはずだったが、意外な「壁」が現れた。「ライセンス」である。
各クラブは、毎年、経営状況などを審査され、B1やB2といった各ステージに相応しいクラブかのライセンスを交付されているのだ。今回、この壁にぶつかったクラブがある。
【自動降格・ライジングゼファー福岡】
まずは「B1のライジングゼファー福岡」
2年連続の昇格でB3からB2、B1と破竹の勢いで登り詰めたライジングゼファー福岡だったが、B1一年目の今年、資金問題で、B1ライセンスが認められず、4月29日までに資金確保のメドを立たせるという条件付きの「B2ライセンス交付」となった。そのため、残留プレーオフ出場が決まっていたが、出場せずに自動降格が決まったのだ。B1からの自動降格がライジングゼファー福岡決まったため、B2への降格争いはレバンガ北海道か横浜ビー・コルセアーズに絞られた。
【B1ライセンスを持たないB2クラブ】
続いて、B2の東地区優勝・群馬クレインサンダーズと中地区優勝・信州ブレイブウォリアーズにB1ライセンスが発行されず、B2ライセンス交付で留まり、B1ライセンス交付は、優勝クラブでは西地区の熊本ヴォルターズのみ。この地区優勝3クラブとワイルドカード枠でB2プレーオフに出場する島根スサノオマジック、4クラブのうち、B1ライセンスを持つのは熊本ヴォルターズと島根スサノオマジックのみ。
B1ライセンスを持つ熊本ヴォルターズと島根スサノオマジックのうち、B2プレーオフ成績上位クラブはライジングゼファー福岡との入れ替えで自動昇格。もう一つのチームは、ファイナルまで勝ち進めば上位2位が確定で自動昇格、3位になれば入替戦でレバンガ北海道か横浜ビー・コルセアーズのどちらかと対戦することになる。
ライセンス審議はBリーグの健全な運営のために必要である。今回の様に地区優勝やB2優勝をしてもB1ライセンスが交付されないため残留が決まってしまうケースやB2・金沢武士団の赤字によるB3降格などクラブ側の問題は、選手のモチベーションに大きく影響するだろう。クラブは「強くなる」だけではなく、スポンサー獲得やアリーナ経営を合わせた「賢くなる」必要を感じさせたプレーオフ前だ。