15日に大田区総合体育館で行われた第1戦「結構よくできた」との八村塁のコメント通り、88-80で勝利した日本。韓国との強化試合第2戦は、まさしく強化試合の名の通り、「強化された部分」と「今後の課題」があらわになった試合内容となった。
【好調な前半戦】
第1クォーターが終わるまで選手交代しなかったのは「ニック・ファジーカス」のみ。八村塁、馬場雄大、富樫勇樹、比江島慎、竹内譲次、古川孝敏、宇都直輝、辻直人は総入れ替え。速攻をかける事なく、ハーフコートでピック&ロールをはじめに、シュートに行くまでの引き出しを確認している様だった。実際、ハーフコートにボールを運ぶまで、富樫勇樹が積極的に身振り手振りで指示を出し、シュートを放った後はリバウンドを競り合う事なく守備に戻り仕切り直しと言った様子。
しかし、アウトサイドシュートや富樫勇樹のカットインの調子は良く、前半戦は常にリードを保ち続ける日本。シュート成功率が落ちた第2クォーター残り3分から立て続けに韓国に決められ、44ー43で前半終了。ファウルも韓国が先行し、日本優勢。
【対応力で上回る韓国】
一通りのテストが終了したのか、富樫勇樹、比江島慎、馬場雄大、八村塁、ニック・ファジーカスと、スターターのメンバーに戻しての第3クォーター。
しかし、熱を帯びてきた韓国、ディフェンスがタイトになり、特に八村塁に対してはファウル覚悟で体を当ててくる。日本の熱い男、馬場雄大のブロックショットは惜しくもアウト・オブ・バウンズ(コートの外にボールが出てしまうこと)残り4分、富樫勇樹から交代した宇都直輝も必死にルーズボールに食らいつき。日韓戦らしくヒートアップ。残り2分半、追いつけそうで追いつけない時間が続く中、抜け出た八村塁のダンクでついに逆転。しかし、ラトリフ・リカルドの強靭なプレーで韓国に再度逆転を許し、67ー69で第3クォーター終了。第4クォーターへ。
【課題の見つかる第4クォーター】
第3クォーター残り2分半でニック・ファジーカスが抜けてからはコート上が慌ただしくなり、ターンオーバーとディフェンスの連携が機能せず、第4クォーター残り6分半、ここまでで最大の12点差をつけられる。逆境に強い男、古川孝敏がスリーポイントシュートを沈め、反撃の狼煙を上げたいところだが、八村塁の個人ファウルが3つ、そしてコートに戻るも疲れの見えるニック・ファジーカス、ディフェンスの強度が下がる日本とファウルの多い韓国でシーソーゲームとなり、残り3分半で13点差のビハインド。すでに韓国の選手には笑みがこぼれている。5ファウルとなった韓国にフリースローで点差を縮めるも、韓国のスコアラーのキム・ジュニルと帰化選手ラトリフ・リカルドにゴール下を制圧され87ー99で試合終了。
日韓戦の熱さもありながら、様々なテストを行い攻撃の選択肢に強化が見られ、ニック・ファジーカスがいない時間帯にインサイドのビッグマンに対するディフェンス、内容の悪いターンオーバーからの失点などディフェンスに関する課題が見えた日本。「本番」に向けて課題修正なるか。
【男子日本代表国際強化試合2018 日本代表チームメンバー】
富樫勇樹(千葉ジェッツ)
辻直人(川崎ブレイブサンダース)
比江島慎(シーホース三河)
篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)
太田敦也(三遠ネオフェニックス)
宇都直輝(富山グラウジーズ)
竹内譲次(アルバルク東京)
馬場雄大(アルバルク東京)
八村塁(ゴンザガ大学)
ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)
田中大貴(アルバルク東京)
熊谷尚也(大阪エヴェッサ)
シェーファー アヴィ 幸樹(ジョージア工科大学)
永吉佑也(京都ハンナリーズ)
古川孝敏(琉球ゴールデンキングス)