ブルックリン・ネッツでのサマーリーグ5試合を終え、日本へ一時帰国を発表した渡邊雄太。その挑戦を追う。
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目次
【決勝トーナメント1回戦】
前の3試合、控えからの出場とはいえ、平均出場時間はチーム最長の27分39秒だったため信頼を勝ち得ているといえる渡邊雄太だが、今サマーリーグ4試合目の対ヒューストン・ロケッツ戦にして初めて先発出場となった。やはり、チームで2番目に長い26分出場を記録したがスタッツは4得点、1スティールと第3戦目を下回った。その理由としては3試合目で4本の3ポイントシュートを決めたことで相手チームのディフェンスが渡邊雄太に激しさを増していたこと。チームがドライブを積極的に行いアウトサイドで待つ渡邊雄太にシュート機会が少なかったこと。6日間で4試合、チーム最長の出場を果たし疲労が蓄積していること。
しかし、チーム2番目の7リバウンドを獲得、ディフェンスでも貢献し、「今日はガードが支配する試合で、彼はあまりボールに触る機会もなかった。」とジャック・ボーンHCもオフェンスについては言及しなかった。チームも102-109で4連敗となった。
【決勝トーナメント・最終日】
渡邊雄太は前戦に続いて2戦連続でインディアナ・ペイサーズ戦にスタメン出場。第3クォーター終了時点まではチーム最多の出場時間約18分プレーで8得点3アシスト1スティールを記録。第1クォーター、スピンムーブからのフェイダウェイジャンパー、プルアップジャンパーなどレイアップや3ポイントシュートが多かったこれまでの4試合とは違い1対1でも得点できるとアピールできた。得意のディフェンス面ではドラフト2巡目全体50位指名、同じ206cmのアリゼ・ジョンソンとマッチアップ、見事に抑え込む。ところが、第3クォーターも終盤残り4分5秒で左サイドからドライビングダンクを狙うがエドモンド・サムナーにブロックされ、フロアに強烈に叩きつけられる。腰を強打、肩をひねってしまいベンチへ下がり、以降の出場はなく、チームは79-116で敗れ、0勝5敗でサマーリーグを終えることになった。
【アピール成功と言えるサマーリーグ】
初めて参加したサマーリーグが終了し、渡邊雄太は先発2試合を含む5試合すべてに出場、平均9.4得点、4.2リバウンド、1.2アシスト、1.6ブロックという成績を残した。 そして、自身のTwitterを「サマーリーグを応援してくれたみなさんありがとうございました。まだまだ改善点はたくさんありますが、大きな収穫があった5試合でした!今後も目標に到達するために一生懸命頑張ります!これからも応援よろしくお願いします!」と更新した通り、「ポイントガードからパワーフォワードまで守れるディフェンス」、「味方を生かす献身的なプレイ」、「3ポイントシュート、ジャンパーを含む総合的なシュートスキル」が証明された。しかし、自身、そしてHCが指摘する、「より頑強な体躯の選手たちにはフィジカルで当たり負けをする」という課題も残された。
今後の渡邊雄太は、一時帰国をはさみ、9月下旬から始まるシーズン前の各チームのトレーニングキャンプに参加できるかがポイントとなる。結果を受け、契約を提示してくるチームがあるのか、また、NBAチームと下部リーグであるGリーグの提携チームが、選手と双方向(2ウェイ)に結ぶことが可能なツー・ウェイ契約という可能性もある。
【日本人2人目のNBAプレーヤー誕生なるか】
渡邊雄太は「まだまだこれから努力が必要。まだ足りない部分は本当に多いんで、しっかり残り開幕までひたすら努力して、(NBAの)開幕ロスターに残るっていう目標をしっかり掴みたい」とコメントを残した。2年ぶりの日本を満喫したのち、日本人2人目のNBAプレーヤーになれるのかどうか。挑戦を応援したい。