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バスケ ワールドカップ 2次予選 イラン戦勝利を現地レポート

イラン戦 男子日本代表

9月17日、大田区総合体育館で「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 2次予選(Window4)」が行われ、男子日本代表がFIBAランキング25位のイラン代表と対戦。会場の空気と試合内容をピックアップ。
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【試合前・渡邊雄太の気合い】

17時ティップオフ、開始前の会場、16時40分から選手が入場、その後、各チームのアップになるが渡邊雄太が様々なダンクを披露し、試合前から気合を見せると会場は大歓声。この試合が大一番であることと、渡邊雄太自身が日本代表を引っ張っていくんだという気持ちが伝わった。

【何かがおかしい第1クォーター】

ロスターは富樫勇樹、比江島慎、渡邊雄太、八村塁、竹内譲次の5人。
第1クォーター開始約5分、八村塁のジャンパーで先制し、会場全体が「今日も調子が良さそうだ」と肩をなでおろす間もなく、不思議なプレッシャーが会場を覆う。ボールとコートが滑るように見える。日本代表のファンブル(ボールが手につかないこと)さらに、日本が目指すゴールに向かって左側のコートで足を滑らせる選手が続出。これは一試合を通して起こり、田中大貴がゴール下のチャンスでシュートに行けなかったり、ハンドリングに定評がある渡邊雄太がドライブに行く瞬間、ボールが手につかずボールがコート外に出てしまったり、「何かがおかしい」と頭の片隅に残りながらのプレイだった。チームの歯車がかみ合わないまま、イラン代表に3ポイントシュートを連続で決められ、16-22と6点ビハインドで最初の10分間が終了。

【第2クォーター 強豪・イラン代表】

続く第2クォーター、日本代表のシュートタッチの悪さは払拭できず、16-26と最大で10点差が付いてしまう。しかし、ここでズルズルと離されなくなったのが、今の日本代表だ。「点が決まられないのであれば、それ以上に相手に決めさせない」という内容を試合後に渡邊雄太がコメントしていたが、その決断は日本代表、全員がしていたようで、その中でも、渡邊雄太と田中大貴の決断の早さは素晴らしかった。ベンチから交代出場した篠山竜青のハッスルディフェンスもあり、第1クォーターで当たっていたイラン代表のシュートが入らなくなり、徐々に点差を詰める日本代表。4分28秒に渡邊雄太が自らのスティールから速攻で同点のレイアップを決め、大きくガッツポーズ、「絶対に勝つんだ」と会場のブースターを煽ると、それまでチームを覆っていた硬い空気が和らいだ。しかし、相手はアジアの強豪・イラン代表。イラン代表は元NBAプレーヤーのハメド・ハダディとチームリーダーのサマド・ニックハ・バハラミを欠いての試合だがそれでも強い。まずはディフェンスに隙が無い。よく走り、前後左右から手が伸びてきて、日本代表の比江島慎の比江島ステップや田中大貴のスネークドライブで切り込もうとしてもそのスペースを空けてくれない。竹内譲次が大きいステップを生かしてゴール下に潜り込んでも、そびえ立つのはビッグマンの4番メイサム・ミルゾイだ。メイサム・ミルゾイは206センチの上背に横幅もあり、決して俊敏な動きはできないがゴール下での威圧感が圧倒的。竹内譲次、渡邊雄太も何度も対戦するがいつも通りの決定率ではシュートが入らない。さらに前半だけ14点をあげた8番ベヘナム・ヤハチャリをはじめ、内外からシュートが決まる。前半最後の日本代表のフリースローが決まらず、逆に残り7秒から速攻をくらい31-35で前半終了。日本代表は暗い表情で控室に戻った。

【第3クォーター 強い日本代表】

後半開始、第3クォーター、メンバーを富樫勇樹、比江島慎、渡邊雄太、八村塁、竹内譲次に戻してのリスタート。最初の得点も八村塁と、試合開始と同じ流れ。しかし、後半は違った。日本代表の徹底したディフェンスでイラン代表のシュートが立て続けに落ち、パスミスの多かった第1クォーターと違い、チェンジオブペースと視線のフェイクでマークマンのカゼミを置き去りにした富樫勇樹と渡邊雄太のゴール下の合わせで35-35と同点。連携もかみ合った。続くイラン代表の攻撃を24秒バイオレーションで防ぎ、比江島慎→八村塁のコンビネーションで37-35、さらにイラン代表のドライブを竹内譲次がノーファウルでブロック、比江島慎がボールを運び、八村塁のノールックパスを渡邊雄太が決め、39-35と第3クォーター開始2分でイラン代表を圧倒。たまらずイラン代表はタイムアウト、八村塁と渡邊雄太がベンチに引き上げながらもヒップアタック。この勝利ムードに会場は大盛り上がり。タイムアウトを空けても、日本代表の勢いは変わらない。渡邊雄太のディフェンスは相手を完全に機能停止に追い込み、田中大貴のスティール、アイラ・ブラウンのシュートブロックには渡邊雄太がおたけびをあげるほど。日本代表は速攻をかけ、止められたらハーフコートバスケに戻すというリズムが生まれる。攻撃のリズムが良くなるとシュートが入る。比江島慎、八村塁、富樫勇樹がシュートを決め点差を伸ばす。第3クォーターの終盤には日本代表へのファウル判定が厳しすぎるという審判への疑惑もあったが、疑惑の笛もはじき返す勢いの日本代表が57-43と14点差をつけファイナルクォーターへ。

【ミスを出さない第4クォーター】

第4クォーターは篠山竜青、アイラ・ブラウン、竹内譲次、馬場雄大、田中大貴のBリーグ選出、ほぼアルバルク東京で開始。中々シュートを決められないが開始3分、馬場雄大らしいワンマン速攻でフリースローを獲得。その後もメンバーが変わってもディフェンスよく走り、イラン代表に3ポイントシュートであっても楽に打たせない日本代表。逆にイラン代表はファウルがかさみ、残り5分半で早々に5ファウル。そのファウルでのフリースローを2本とも外すが自らリバウンドを取り決める八村塁。62-47。そのまま10点差までは縮まるも篠山竜青、富樫勇樹が時間をコントロール。日本代表最後の攻撃は八村塁の豪快なワンハンドダンク。70-56で試合終了。

【日本一丸 良いニュースを】

試合後、渡邊雄太のインタビューは「期待通りの活躍ができなくてすいませんでした」という内容に会場はどよめき、「十分活躍していた」という気持ちと渡邊雄太の「もっと日本のために」という思いを感じられずにはいられなかった。
続く、八村塁のインタビューでは観戦に来ていた当日が誕生日という八村塁の妹・マリさんに会場全員でハッピーバースデイの歌でお祝い。2人の後のインタビューは辛いと言いながらもコーチとブースターへの感謝を述べた竹内譲次、そして、オーストラリアから比江島慎が、八村塁・渡邊雄太がアメリカから、そして自分たちBリーグが日本から「良いニュース」を発信し続けるのでバスケットをよろしくお願いしますと、今、日本バスケット界が伝えたいことを代弁した主将・篠山竜青に割れんばかりの拍手と歓声が贈られた。

試合結果
日本 70-56 イラン
JPN|16|15|26|13|=70
IRI|22|13|8|13|=56

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