NBAサマーリーグ2018にブルックリン・ネッツの一員として5試合(先発2試合)に出場。平均24分の出場時間で、9.4得点、4.2リバウンド、1.2アシスト、1.60ブロックを記録。その結果、NBAメンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約というチャンスを掴んだ。
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目次
【2WAY(ツーウェイ)契約とは】
2ウェイ契約は2017年のオフシーズンから導入された新しい契約方法。2ウェイ契約選手は、シーズンの大半をNBAチームの傘下にあるGリーグチームでプレイすることになるが、シーズン中45日間だけNBAチームのロスターに登録が可能。主にはNBAチームで怪我人が出た場合出場機会が与えられ、それ以外の期間はGリーグチームでプレイすることになる。最大のメリットはNBAのゲームでプレイすることができ、活躍次第ではNBAチームと本契約に至ること。デメリットはNBAチームとGリーグチームを行き来しなければならず、広大なアメリカでは移動に一日を費やすこともある。また、2ウェイ契約はいつ打ち切られるかわからないという点、そして、NBA全30チームからの招集が認められているGリーグ契約選手とは違い、NBAでのプレイチャンスは契約先の球団に限られてしまう。この2ウェイ契約の対象はNBA在籍年数4年未満の選手に限られ、同契約下でチームに所属できるのは2シーズンまで、という条件が付いている。 NBAに出場せず、契約を終える選手も多く存在するが、ウォリアーズと契約したクイン・クックはエースのステフィン・カリーが負傷中に18試合先発出場。平均9・5得点の活躍が認められNBA契約に至った。
【クラブ側のメリット】
最大のメリットはロスターに登録できる選手数をそれまでの15選手から17選手(本契約15名、2ウェイ契約2名)に拡大できることで1年を通してチーム作りがしやすくなること。さらに、 NBAでは「サラリーキャップ」という「チーム全員の年俸の合計を制限する」制度があり超過した場合にはペナルティが発生する。しかし、2ウェイ契約の選手に支払われるギャラについてはこのサラリーキャップには上乗せされない。また、即戦力ではない有望選手と2ウェイ契約を結ぶと他チームへの移籍ができなくなるため、いわゆる囲い込みが可能になる。
昨シーズン、42勝40敗でウェスタン カンファレンス10位で終了したLAクリッパーズのドック・リバースHCは、「2ウェイ契約は、私たちにとって、神からの贈り物だ。2ウェイとGリーグチームがなかったら、私たちは今頃、最下位だったかもしれない。」とコメントしている。
【メンフィス・グリズリーズとは】
アメリカ合衆国テネシー州メンフィスに本拠を置く全米プロバスケットボール協会 (NBA) のチーム。ウェスタン・カンファレンス、サウスウェスト・ディビジョン所属。
1995年創設の若いクラブであるが2010-11シーズンから8年連続でプレイオフ進出を果たしている。しかし、昨シーズンより中心選手である「ジーボ」の愛称で親しまれたランドルフを放出するなどチームの陣容だけではなく、そのスタイルを一新。成績は22勝60敗となりリーグ29位。プレイオフを勝ち切るチームを目指し、まさに「変革期」と言える。
【渡邊雄太】
生年月日 1994年10月13日
身長 206cm
体重 89kg
出身地 香川県
出身校 尽誠学園高校→ジョージ・ワシントン大学
【これからの渡邊雄太】
変革期であるメンフィス・グリズリーズにおいてオールラウンダー、そしてディフェンスが評価されている渡邊雄太の出場機会は期待できる。渡邊雄太自身も「ここからが本当の勝負。今後も更なる成長を目指す」とツイッターで発信。田臥勇太に続き、二人目のNBAプレイヤーが誕生するかに注目したい。
【渡邊雄太のNBAデビューはいつか】
メンフィス・グリズリーズは10月17日にインディアナ・ペイサーズと敵地で開幕戦を行う。本拠地の初戦は10月19日でアトランタ・ホークスを迎え撃つ。メンフィス・グリズリーズは10月2日からプレシーズン戦を行い、渡邊雄太も帯同、NBAデビューに期待が高まる。