1月19日、チケットが6分で完売した大注目の3回目となるオールスターゲーム「B.LEAGUE ALL-STAR GAME 2019」が富山市総合体育館で行われた!!
目次
【新企画・スキルズチャレンジ 初代チャンピオンは富樫勇樹】
最初に行われたのは今回からの新企画、「スキルズチャレンジ」
ルールは、まず、5つの障害物の間をジグザグに「ドリブル」し、そのボールを丸い穴に「パス」で投げ入れる。フリースローを1本決めたら折り返し。再度、ドリブルとパスを行ったら、最後に3ポイントシュートを1本決める。ここまでのタイムを競う競技だ。
参加選手は岸本 隆一、並里成、ダバンテ・ガードナー、篠山竜青、富樫勇樹。
しかし、ちょっとした事件が起こる。デモンストレーションを行った東北絆混成チームの馬場選手が、まさかのミスなし29.6秒と好記録をマーク。これには篠山竜青と富樫勇樹が「いやいや、いやいや」と手を振るジェスチャー。この不思議なプレッシャーにやられたか、1番手・岸本 隆一は31.5秒。2番手の並里成は42.2秒。3番手のダバンテ・ガードナーは40.8秒。4番手・篠山竜青は「富樫の引き立て役にはならないわよ」とオネエキャラで気合い十分。ここまでのトップとなる31.3秒をマーク。ラストとなる富樫勇樹はギャビン・エドワーズのユニフォームを着て登場。プロ選手の意地を見せられるか。
フリースローで手間取るも最後の3ポイントシュートを一発で沈め、記録は29.4秒を叩き出し、プロ選手の面目躍如と初代スキルズチャレンジチャンピオンを同時達成。見事なフリを作った篠山竜青は床に倒れこんだ。
【ダンクコンテスト 独創性あふれるアリウープ・新チャンピオンはギャビン・エドワーズ】
続いて行われたのは、「ダンクコンテスト」だ。まずはミニリングを使用し3名の子どもで競う「キッズダンクチャレンジ」で、優勝者は引き続き行われるダンクコンテスト予選の審査員となる。今回で3回目となるダンクコンテスト。予選のルールは5人の審査員がそれぞれ10点の持ち点を持っており、その合計点を競う。2連覇中のアイラ・ブラウンは怪我で欠場のため、ギャビン・エドワーズ、マーキース・カミングス、藤髙宗一郎の3人での開催。1番手のギャビン・エドワーズはシンプルなダブルクラッチからのリバースダンクを決め46点。2番手の藤髙宗一郎は「忖度まんじゅう」を審査員に配り、自身のユニフォームの下に妻であるトヨタ自動車アンテロープスに所属する栗原三佳のユニフォームを仕込んでいるという大阪人ならではのボケを挟みつつ、一回転してのダンク「スリーシックスティー」を決めるも、忖度まんじゅうがマイナス点となり最低点の6点が飛び出し46点。3番手のマーキース・カミングスはアリウープを試みるもパサーの並里成と息が合わず、急遽、ボールを持った手を回転させてダンクする、ウインドミルダンクを豪快に決める。すると、マーキース・カミングスも46点となり、3人が同点という事態に。仕切り直しのギャビン・エドワーズはチームメイト・富樫勇樹のレイアップをそのままダンクするアリウープで満点の50点。藤髙宗一郎はノールックでのダンクとリバースダンクの2本のダンク合わせ技で挑むも45点。マーキース・カミングスは回転の速いスリーシックスティーを決め50点満点。ファイナルにはギャビン・エドワーズ、マーキース・カミングスが進出。ここで進行上のミスがあり、ギャビン・エドワーズのバックボードを使った一人アリウープが無効となるアクシデント。「そんなにネタないよ」というような表情を見せ、頭を抱えたギャビン・エドワーズだったが、独創的なアイデアを思いつく。富樫勇樹の2階の観客席からのパスでのアリウープという前代未聞のダンクが決まり会場は歓声に沸く。続く、マーキース・カミングスもファンを巻き込んでのアイデアで対抗。ブースターの少年にリング前に立ってもらい、その上を飛び越えてのワンハンドダンクを決め、少年とハイタッチ、心温まるパフォーマンスを見せた。ファイナルの勝者はSNS投票で決まる。投票最中のインタビューでは篠山竜青が「富樫が目立ちすぎ、ダンクを決めたのはギャビンです」とスキルズチャレンジ惜敗をまだ根に持っている様子。投票結果はギャビン・エドワーズの勝利でダンクコンテストチャンピオンに輝いた。
【スリーポイントコンテスト 勝因はリラックス 新チャンピオン・金丸晃輔】
スキルズチャレンジ、ダンクコンテストと連続して千葉ジェッツが制し、完全制覇がかかる「スリーポイントコンテスト」のルールは、60秒以内に、左右のコーナー、左右の45度、そして中央の5つの拠点から、得点が2倍になるカラーボール1球を含めた5球、合計では25球(内、5球がカラーボール)をシュートし、合計点を競う。
参加選手は、連覇中の岡田優介をはじめ、狩野祐介、城宝匡史、田渡修人、石井講祐、金丸晃輔、そして、「辻の代わりにニックが頑張るからね、元気出せよ」と篠山竜青がコメントしたニック・ファジーカスと各クラブの名シューター揃い。1番手の狩野祐介は序盤にミスが目立ったが徐々に精度を増し、最初から高得点の19ポイントを獲得。2番手の城宝匡史は16ポイント、3番手・田渡修人は60秒の時間制限に追われ11ポイント、4番手・石井講祐は惜しくも17ポイント、5番手のニック・ファジーカスは45度のシュートに苦しめられ11ポイント、6番手・金丸晃輔はリラックスした自然体でシュートを沈め続け19ポイント、トリを飾る、連覇中の岡田優介は終盤の得点が伸びず16ポイント。同点となった狩野祐介と金丸晃輔でサドンデスを行うことに。先行の狩野祐介が1本目を落とすと、「外れてもいいか」とリラックスして打てたという金丸晃輔が1本でシュートを沈め、スリーポイントコンテストのチャンピオンとなった。
【26本のダンク、36本の3ポイントシュートが飛び交うオールスターゲーム】
そして、メインゲームの選抜チームB.BLACKとB.WHITEによるオールスターゲーム。
B.BLACKのスターターは、馬場雄大、田中大貴、並里成、川村卓也、ジェフ・ギブス。
B.WHITEのスターターは、富樫勇樹、篠山竜青、ニック・ファジーカス、金丸晃輔、大塚裕土。
試合はB.BLACKのギブちゃんことジェフ・ギブスの豪快なダンク、対するB.WHITEは金丸晃輔がコーナースリーを決め返してそれぞれの持ち味を出してゲームスタート。序盤は富樫勇樹のポストプレイやジェフ・ギブスのポイントカードなどオールスターらしいプレイ、ダンクやスリーポイント合戦となる。ダバンテ・ガードナーが一人アリウープのために投げたボールがバックボードに当たらずコート外にボールが出てしまうというお茶目な失敗も。
第2クォーター、残り5分、分かっている男・田中大貴がアシストし、馬場雄大のアリウープを演出。オフィシャルタイムアウトでは、馬場雄大、宇都直輝を始め、選手自らが率先してモップがけを敢行、会場の声援を集める。「自称・副キャプテン」の篠山竜青も並里成との執拗な1on1を楽しみ、富樫勇樹はスティールからの勢いに乗ってダンクを狙うがもちろん届かない。さすがのスーパースター揃い踏み、スリーポイントシュートが決まりまくって前半ですでに65-62(B.BLACK3点リード)の大量得点。
第3クォーターは地元・富山グラウジーズのスター選手、大塚裕土タイムとなる。B.WHITEの100目を飾るシュートを含め、このクォーターだけで6本のスリーポイントシュートを沈めて、ファンを沸かせ、逆転にも成功。
第4クォーター、1番盛り上がっているのではないかと思われるのがB.WHITEのベンチ。味方が得点を決めるたび、篠山竜青、張本天傑、宇都直輝が大騒ぎ。この雰囲気がB.WHITEの好調の要因かもしれない。このクォーターはそのB.WHITEで出場しているニックファジーカスのスリーポイントシュートが止まらない。ニックファジーカス、ベンドラメ礼生、大塚裕土、馬場雄大とMVP候補にも名乗りを上げてくる。B.WHITEのスリーポイントシュート攻勢で10点差がつく中、馬場雄大がアリウープダンクで失敗したボールをリングを掴んだままダンクし直すという特殊な一人アリウープを成功させる。試合は130-142でB.WHITEの勝利、MVPは60%を超える投票数で大塚裕土が手に入れた。
インフルエンザや怪我の影響で欠場が相次ぐアクシデントもあったが、大盛り上がりの成功と言えるオールスターゲーム。「お祭り的」なイベントとしては十分だったが、個人的には、ここまでスター選手を揃ったので、1クォーター限定でも真剣勝負があれば、オールスターゲームの楽しみ方も変わってくるのではないだろうかと考えてしまった。シーズン中の開催のため、怪我を考慮しての現状だが、更なる進化をぜひ検討してほしい。