NBAには30チームある。それぞれのチームが15人の「ロースター(チームの公式戦に出場できる資格を持つ選手枠のこと)」がいる。故障者、一時的に試合出場停止となっている選手を含む「インアクティブ(試合に出ない選手)」も合わせて最大15人登録。NBAに二軍や三軍という概念がないため、1チームに所属できるのはロースターに選ばれのは一部のエリートのみということになる。
【まずNBAに入るには】
①NBAドラフトで指名される。
②ドラフト外からNBAのチームと契約する。
③Dリーグに所属し、NBA昇格を待つ。
多くの選手は①のドラフトを通じてNBA選手となる。
ドラフトでは、ドラフトにかかる資格を持った選手たちが対象になる。
対象になる資格には2つの種類がある。
【自動資格】
アメリカ国籍保持の場合
19歳以上かつ高校卒業後1年経過という前提のもといずれかの条件を満たす選手
1. 大学4年次の資格を持っている
2. アメリカ高校卒業後に大学進学せずに4年経過
3. NBA以外のプロチーム所属歴
アメリカ国籍でない場合
1. 22歳以上
2. NBA以外のプロチーム所属歴
であり、これらに合致する選手は自動で資格が付与される。
【アーリーエントリー】
自動資格を得られなくても、「アーリーエントリー」で資格取得可能
選手の希望によりドラフト60日前に宣言を行うことで資格を得るという方法。
今はNBAにエントリーできるのは、「高校卒業後一年が経った」選手のみのため、有望だと見られる選手は、高校卒業後、大学で一年を過ごした後にプロ入りを宣言してNBAドラフトにエントリーするという方法を取る。キャバリアーズのレブロン・ジェームズ選手の成功でアーリーエントリーは人気が高まっている。
一方で、大学側(NCAA)はアーリーエントリーを行う選手には大学資格を失わせるという厳しい対応をとることもある。そして、NBAとNCAAトーナメントは日本のプロ野球と甲子園のような関係性であるため、NCAAトーナメントに出場、活躍し、ドラフト指名の可能性を高めてからNBA入りを目指すという道もり、リスクの伴う宣言でもある。
【NBAドラフトの仕組み。タンク対策のロッタリー】
ドラフトは、30チームで2巡目60位まで行われる。
NBAドラフトは戦力均衡を考えて前年シーズンの「下位チームが有利になるよう」考えられている。資金力がなく低迷しているチームでも有望な選手を獲得することができ、チーム力向上や集客につながりNBA全体の競争力を高める狙いだ。
以前は完全「ウェーバー制」(勝率が低いチーム順)で、勝率が1番悪いチームが1位指名権を得られていたが、ここで問題となったのが、「タンク」と呼ばれるシーズン中にわざと負けて、ドラフト一位を得ようとするという行為。
そこで、現在は「ロッタリー(抽選)方式」で決められることになった。ロッタリーの方法としては、番号をたくさん用意しておき、その番号を成績の悪い順に多く分配し、当たり番号を持ったチームが1巡目の上位3位までは指名権を得ることができる。あとは通常のウェーバー方式順で2巡目まで行われる。
【近年5年の1位指名選手】
2013年クリーブランド・キャバリアーズ→アンソニー・ベネット(ネバダ大学ラスベガス校)
2014年クリーブランド・キャバリアーズ→アンドリュー・ウィギンス(カンザス大学)
2015年ミネソタ・ティンバーウルブズ→カール=アンソニー・タウンズ(ケンタッキー大学)
2016年フィラデルフィア・セブンティシクサーズ→ベン・シモンズ(ルイジアナ州立大学)
2017年フィラデルフィア・セブンティシクサーズ→マーケル・フルツ(ワシントン大学)