3月17日、船橋アリーナでB1リーグ第23節第1戦の千葉ジェッツvs栃木ブレックスが行われた
激戦の東地区の両チーム、勝ち星では首位アルバルク東京に並び、離されたくない千葉ジェッツ。
ワイルドカード(各地区3位以下のうち勝率上位2チーム)争いでチャンピオンシップ出場圏内2位の栃木ブレックス。
ともに負けられない状況が続くチームを率いるのは日本代表PG富樫勇樹とレジェンドPG田臥勇太
5155名の大観衆が見守るこの注目カードはアウェイの栃木が試合終了残り4分11秒から12点ビハインドを跳ね返し、73-71の劇的な逆転勝利を収めた。
注目ポイントは
「栃木のオンザコート、2・1・1・2」
「コート上最速男・富樫勇樹」
「LAST4分の逆転劇」
「栃木のオンザコート、2・1・1・2」
千葉のオンザコート(各ピリオドに出場できる外国籍選手の上限)が「1・2・1・2」に対し、栃木のオンザコート「2・1・1・2」
第1クォーターから勝負を仕掛けた栃木は、高い位置からプレッシャーを掛け、千葉にイージーシュートを許さず、
田臥勇太の速攻、遠藤祐亮の3ポイントシュートで開始2分半で10-0と作戦成功。
栃木のジェフ・ギブスが個人ファウル2つでベンチに下がり、オン「2」の優位を失い、千葉・富樫勇樹のドライビングレイアップ、小野龍猛の3ポイントシュートで点差を詰められるも、「18対15」と栃木3点リードで第1クォーター終了。
「コート上最速男・富樫勇樹」
第2クォーターで富樫勇樹のエンジンがさらにかかってくる。
富樫勇樹がコートを駆け巡り、千葉のレオ・ライオンズ、石井講祐を生かし、ついに第2クォーター開始4分10秒、マイケル・パーカーのゴール下で、24-23と千葉が逆転。同6分40秒には、富樫勇樹が一気にギアを入れ替え加速、田臥勇太を置き去りにしゴール。
栃木も田臥勇太のレイアップ、喜多川修平の3ポイントやオンザコート「1」の第2クォーターを守る竹内公輔の高いリバウンドで再度逆転するが残り5秒、富樫勇樹のスティールからの速攻で千葉が「31対30」と逆転、前半終了。
第3クォーターも千葉の勢いは止まらない。
開始早々、富樫勇樹の3ポイントが決まる。
千蒲のオフェンスに対応しきれず、遠藤祐亮がファウルトラブルでベンチに下がる。
富樫→パーカーのホットラインが機能する中、アクシデントが起こる。
千葉の富樫勇樹と栃木の渡邉裕規がルーズボール争いで衝突。渡邊は10針縫う怪我を頭部に負い退場。さらに状況が厳しくなる栃木。
ラストは千葉の小野龍猛がフェイダウェイでブザービーターを決め、「54対45」で千葉リード。
第4クォーター、要所で決まる千葉・石井講祐の3ポイント、ライオンズの得点で差がじわりじわりと広がり、残り5分、千葉優位を印象付ける、富樫→ライオンズの豪快なアリウープが決まり、千葉の選手に笑みがこぼれる。
さらに、栃木・生原秀将のレイアップをブロックされ、逆に速攻をかけられ、一度はブロックするも、千葉・ギャビン・エドワーズがリバウンド、そのままゴールと明暗分かれたうえ、最大得点差12点となった栃木はたまらずタイムアウト。
完全な千葉ペース。
「LAST4分の逆転劇」
解説も「十分な点差」と伝えたこの4分から栃木の逆襲が始まります。
まずは相手ディフェンスのミスをつき、栃木・遠藤の3ポイント。
次に、ライアン・ロシターのバスケットカウント(放たれたシュートが決まり、かつ相手ファールでフリースローを得ること)
そして、千葉の攻撃を防いだ、大事なオフェンス。
ライアン・ロシターの3ポイントが外れるも、PGの田臥勇太がリバウンドに食らいつきコートを割ったボールは栃木ボール。
再開後、ショットクロック(シュートを打たなければならない時間制限)まであと2秒というところでロシターが得点。
残り2分半。5点差。
千葉のエース・富樫勇樹が嫌な流れを断ち切ろうと鋭いドライブを決める。
栃木のキャプテン・田臥勇太がレイアップで返す。残り1分40秒。再度5点差。
千葉の攻撃、栃木・ジェフ・ギブスの素早いチェック、乱れたパスをライアン・ロシターが奪い、ターンオーバー。
そのまま遠藤祐亮のジャンプショットが決まり3点差。
残り1分12秒でタイムアウト。
タイムアウト開け、千葉ボールでの再開。
ターニングポイントになるこのタイミングで栃木はダブルチーム(1人に対し2人でディフェンスにあたる)の勝負に出る。
ボールを奪った栃木は田臥勇太がシュートフェイクからファールをもらい、フリースロー2本をしっかり入れ、1点差。
残り48秒。
時間をかけて確実に得点したい千葉・ライオンズのドリブルに、再度、栃木・ギブスの左手が襲い掛かる。
ルーズボールになったボールを栃木・遠藤祐亮と千葉・富樫勇樹が奪い合い、富樫のファール。
栃木・遠藤祐亮が千葉ブースターの大ブーイングの中、2本中1本のフリースローを決め、同点。
残り時間27秒。タイムアウト。
タイムアウト開け、千葉、最後の攻撃。
エース・富樫勇樹を中央に残し、アイソレーション(オフェンス力の高い選手に1対1をさせる作戦)で勝負に出る。
残り3秒、富樫勇樹の3ポイントシュート外れる。
こぼれたボールを拾った、栃木・喜多川修平はゴールへ一直線。
残り1.4秒、千葉・富樫勇樹のファール。
千葉の反撃時間が無くなった中、栃木・喜多川修平
がフリースロー2本を入れ、劇的な逆転となった。
この試合、今シーズン最長となる約27分間のプレータイムを得た栃木キャプテンの田臥勇太は、
試合後の会見で「最後の最後までみんなが諦めず、1点でもいいから勝つという思いで戦った。どんな時も下を向かずに、
誰かがミスをしても次がんばろうとみんなで声をかけ合った」と振り返った。