大学レベルの世界トップレベルにある「NCAA1部」でプレーする日本人選手は2人いる。日本代表に初選出され強化試合の韓国戦で活躍を見せたゴンザガ大の八村塁と、ジョージ・ワシントン大のキャプテンとして結果を残した渡邊雄太だ。
5月中旬にそのジョージ・ワシントン大学を卒業した渡邊雄太。ドラフト前のワークアウトにすべて参加し終えた。田臥勇太(当時サンズ、現Bリーグ 栃木ブレックス)に続く日本人2人目のNBAプレイヤーは誕生するのか。
【渡邊雄太】
生年月日 1994年10月13日
身長 206cm
体重 89kg
出身地 香川県
出身校 尽誠学園高校→ジョージ・ワシントン大学
【経歴】
両親はともに実業団チームに所属した元選手。
小学1年の時、三木スポーツ少年団で本格的にバスケットボールを始める。
高松市立牟礼中学校に香川県選抜チームのメンバーに選出される。
富山グラウジーズの橋本尚明選手も輩出している尽誠学園高等学校に進学。1年次よりスターターとして全国大会に出場し、2011年および2012年の全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会で2年連続で準優勝して全国ベスト5に選ばれている。
2014年2月、NCAA1部のジョージ・ワシントン大学へ進学することが決定。
【ジョージ・ワシントン大学での活躍】
大学1年目から出場機会に恵まれ、2年目には主力に。3年目の2016-17シーズンは序盤にふくらはぎを負傷し7試合欠場したが、相手チームのエースとのマッチアップを担った。NCAAトーナメントには出場できなかったが、A-10(アトランティック-10)カンファレンスのオール・ディフェンシブ・チームに選出された。
大学最終年の2017-18シーズンはジョージ・ワシントン大の3人のキャプテンのうちの1人に就任した。大学最後のホームゲーム、2月28日のフォーダム大戦でさらに自己最多を更新する31得点を記録した。チームのエースとして、得点、リバウンド、ブロック数はチーム1位で、A-10カンファレンス最高クラスの2ウェイプレーヤー(攻守両面で優れた選手)と評された。A10カンファレンスのディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーをジョージ・ワシントン大の選手として初めて受賞。また、オールディフェンシブチーム(2シーズン連続)およびオールサードチームにも選出された。
【ジョージ・ワシントン大学での最終戦】
NCAAトーナメント。すべてのカレッジ・バスケットボーラーにとっての最大の念願である大会である。惜しくも大学3年でNCAAトーナメントを逃し、最終学年でNCAAトーナメントを目指した渡邊雄太は、A-10カンファレンス・トーナメント、セントルイス大との2回戦に臨んだ。
49-51と接戦の中、スティールでボールをカットし、レイアップシュートを打つと相手ディフェンダーと接触、倒れこみ、右足首を押さえてうずくまった。ベンチに下がりコートには戻れず涙を流す渡邊雄太。エース・渡邊雄太を欠いたチームは、そのまま63-70でセントルイス大に敗れ、渡邊雄太の4年間の挑戦はNCAAトーナメント出場叶わず終了した。
【日本人2人目のNBAプレイヤーなるか】
NBAドラフトまで、あと2日に迫った。NBAの各チームは指名候補をワークアウトに招待してパフォーマンスを確認し、選手個々の能力、伸びしろ、チームとの相性を判断。渡邊雄太もブルックリン・ネッツを皮切りに、ワシントン・ウィザーズ、アトランタ・ホークス、オクラホマシティ・サンダー、インディアナ・ペイサーズ、フェニックス・サンズ、そしてウォリアーズのワークアウトに招待された。ウィザーズとホークスのワークアウトの間にはイタリアで行なわれた『若手の見本市』と呼ばれるNBAグローバルキャンプ(有望なインターナショナル選手を集めたワークアウト)にも参加。 ハードで充実した日々を、渡邊雄太は「凄く価値のある1か月だった」と振り返った。また、「そこ(ドラフトで指名されること)にこだわっていません」と冷静、かつ、前向きに将来を見据える渡邊雄太。
運命のNBAドラフトは21日(日本時間だと22日)だ。ドラフト指名されなくともサマーリーグ、NBAのトレーニングキャンプを通してNBA契約に至ることも考えられる。初の日本人NBAプレイヤー田臥勇太誕生から10年以上。日本人2人目のNBAプレイヤーは誕生するのか。